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ザ・アリーナ
―― 米中対立と東南アジア

ビラハリ・カウシカン 前シンガポール外務省 事務次官

The Arena
Southeast Asia in the Age of Great-Power Rivalry

Bilahari Kausikan 前シンガポール外務省事務次官。シンガポールの国連大使、駐ロシア大使も務めた。現在はシンガポール国立大学の中東研究所議長。

2021年3月号掲載論文

中国の国家規模と経済の重みが東南アジア諸国の不安を高め、習近平国家主席の強引な外交路線がそうした感情をさらにかき立てている。しかし、こうした不安もアジア最大のパワーとの政治的、経済的つながりを維持していく必要性とともに、バランスよくとらえなければならない。「中国かアメリカか」、いずれか一つとの排他的な関係を選べる国は東南アジアには存在しない。アメリカが中国に対してあまりにも強引なスタンスをとれば、事態が紛糾するのではないかという地域的懸念を高め、あまりにも控えめな態度をとれば、見捨てられるのではないかと不安になる。だが「国家は競争する一方で、協力することもできる」。これこそ基本的に東南アジアがアメリカと中国の関係に期待していることだ。

  • 不安と必要性
  • 希望と心配、期待と不安
  • 不信をいかに管理するか
  • 中国への対抗バランス

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